ケニア政府、アフリカ連合の後援を受けて開催
【2016年6月10日 ナイロビ(ケニア)発】本年8月27-28日にケニアの首都ナイロビで開催されるTICAD VI(第6回アフリカ開発会議)に向け、アフリカの市民社会(NGO/NPOなど)やその他の民間団体(Non-State Actors)に向けて、TICADの重要性をアピールする「TICAD VIに向けた市民社会・非国家主体啓発会合」が、6月9~10日、ナイロビの「ホテル・ロイヤル・オーキッド」で開催されています。
同会合を主催したのは、2007年にTICADに向けたアフリカ側の政策提言のネットワークとして結成された「アフリカ市民協議会」(CCfA)と、国際家族計画連盟(IPPF)、SDGsケニアフォーラムなどのNGOネットワーク。これに、アフリカ連合委員会(AUC)の「市民・移民組織局」(CIDO)、ケニアの地方分権・計画省(Ministry of Devolution and Planning)が後援し、この会合が実現しました。
ベン・オグトゥTICAD担当特使も演説で市民社会をサポート
ケニアをはじめ、特にサハラ以南のアフリカでは、NGO/NPOなど市民社会は、草の根からの開発に取り組む主人公ということで、その存在が非常に重視されています。それを反映し、この会合には、ケニア共和国TICAD担当特使・TICAD VI事務局長のベン・オグトゥ氏(H.E. Ambassador Ben Ogutu)や、後援を行ったケニア地方分権・計画省のC. T. ムチリ管理部長(C.T. Muchiri, Director of Administration)なども参加し、開会式で市民社会の重要性を強調するスピーチを行いました。また、アフリカ連合委員会からもエイマン・ケール・市民・移民組織局オフィサーよりスピーチがありました。
日本大使館・JICAからは、会合の設定が急だったこともあって、スケジュールの都合で残念ながらご登壇はありませんでしたが、日本の市民社会を代表して市民ネットワーク for TICADの稲場雅紀が登壇、こうした会合が持たれたことへの謝意を表明しました。
TICADに向けてアフリカ市民社会から100名を超える参加
会合は丸二日にわたって行われますが、ケニアの市民社会組織を中心に参加者は100名を超え、TICADに向けた市民社会の関心が非常に高いことをうかがわせました。会合のセッションでは、TICAD VIのテーマである「産業化」、「保健」、「社会的安定」の課題にそって、平和構築に取り組む若者の代表や、ジェンダー、農村開発、気候変動、社会貢献全般に取り組むNGO・民間団体からの発表などがあり、TICAD VIで採択される「ナイロビ宣言」のアウトラインに対して、アフリカの市民社会からの意見をまとめ、提起していこう、ということになりました。
会議の二日目では、「ナイロビ宣言」に対する市民社会の意見をまとめた提言ペーパーの作成に取り組む予定です。同ペーパーは、西アフリカのガンビア共和国の首都バンジュールで6月16-17日に開催される「TICAD VI閣僚級準備会議」に向けて完成させ、提出していく予定です。