アフリカ南部、モザンビーク共和国の首都マプートで、8月24-25日に「第1回TICAD VIフォローアップ閣僚会合」が開催され、23日にはその準備のための共催者会合等が開催されました。昨年8月、ケニアのナイロビで開催されたTICAD VIから1年、市民社会は日本から6名、アフリカ諸国から7名、開催国モザンビークから11名が参加しました。
一部新聞報道にもあった通り、今回のTICAD会合では、アフリカ連合の加盟国であるサハラ・アラブ民主共和国の参加をめぐって、モロッコ、日本、アフリカ連合、モザンビーク、サハラ・アラブ民主共和国の対立が先鋭化、23日に予定されていた高級実務者会合が開催できず、24日にはモロッコとサハラ・アラブの代表団が会場入り口で激突し、モザンビーク警察も介入するなど大混乱となり、開催時間が3時間遅れるという、日本の外交史上まれにみる事態となりました。
しかし、市民社会は8月24日の午後2時~4時、共催機関やその他の国連機関、各国NGOなどの出席のもとにサイドイベント「SDGsとアジェンダ2063の達成のための国家と非国家アクターの協力」を開催するなど前向きに取り組み、8月25日の「人間の安全保障と社会的安定」の全体会では、チュニジア人権擁護連盟(=2015年ノーベル平和賞受賞団体の一つ)のアリー・ゼディニ副代表が発言するなど、多くの成果がありました。これに向けて、日本、アフリカ諸国、開催国であるモザンビークの市民社会の共同で作成したポジションペーパーがありますので、ぜひご覧ください。
本TICAD会合については、日本国際ボランティアセンター(JVC)の渡辺直子さんがモザンビーク政府からビザ発給を拒否されるという事件がありました。この問題はTICAD終了まで解決しませんでした。全員参加型をうたうTICADとしては大きな汚点であり、市民ネットワーク for TICADとしては、この措置に抗議するとともに、今後のTICAD関連会議開催国政府、共催機関、日本政府に対して、再発防止策の徹底を求める声明を発表しました。
来年のTICADフォローアップ閣僚会議は、日本で開催されます。これに向けて、私たちも気持ちを新たにして取り組んでいきたいと思います。