1月28日、東京のNATULUCK神田北口駅前店3階大会議室にて、最終回となるアフリカセミナーが開催されました。

世話人でハンガー·フリー·ワールドの米良彰子さんの開会の挨拶で、ほぼ定刻通りに始まり、映画の上映、そして休憩をはさんでグループトークとパネルディスカッション、および参加者からの質疑応答がおこなわれました。

映画の内容詳細については、「バレンタイン一揆」をぜひ、ご参照ください。この映画は、3人の学生たちがガーナの村を訪れ、児童労働の現実を学び、その後、日本でフェアトレードチョコレートの啓発活動に取り組む様子を追ったドキュメンタリーです。

上映後は、フェアトレードラベルジャパンの中島佳織さんと認定NPO法人ACEの事務局長、白木朋子さんにご登壇いただき、パネルトークと参加者からの質疑応答を行いました。以下にその一部をご紹介します。

中島さん

フェアトレード・ラベル・ジャパンの中島佳織さん

  • 児童労働の数は世界全体で減少傾向にあるものの、アフリカのみがここ数年で増えている。
  • 世界のカカオのほとんどは西アフリカで生産されている。第1位はコートジボワール、第2位がガーナ。日本は輸入カカオの7割~8割がガーナ産である。
  • 映画にも出てきたが、商品の背景を伝えようとする取り組みと関心のない人々との隔たりは大きい。しかし、その隔たりを埋めていくことも活動の一部だと考えている。
  • フェアトレード商品の価格が高いといわれる理由にはいくつかあるが、そのうちの規模の問題である。生産量が少ないことで、生産量の多い商品よりも生産、流通の工程でかかるコストが高くなってしまう。
  • フェアトレード商品とそうでない商品で、生産者の手元に残る金額は個別の商品単価でみれば多くはないが、貿易という形でまとまった量を考えるとその差は大きくなる。
  • フェアトレードラベルがなくても、アンフェアな貿易による商品だとは言えない。ただし、サプライチェーンをさかのぼり、生産者の実態まで明らかになったうえで商品が生産されているものかどうかは不明である。場合によっては、メーカーが追跡できないこともある。消費者が問い合わせたり、気にしていくことが大事である。

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ACEの白木朋子さん

  • 欧州では公共調達で購入する製品について、環境的配慮だけではなく人権への配慮がスタンダードになってきている。消費者だけではなく、こうした国としての動きも消費者や企業に影響を与えると考えられる。

小雪のちらつく日曜日の午後、足を運んでくださったみなさま、ご意見や感想や質問を共有していただき、ありがとうございました。ご登壇いただいた中島さん、白木さん、貴重な情報とご意見をいただきありがとうございました。