7月31日(火)12時15分から12時45分まで、TICAD共催団体(日本政府、アフリカ連合委員会、UNDP、世界銀行、国連アフリカ特別顧問事務所)と市民社会の対話が開催されました。外務省からの通知で市民社会には12席が用意され、発表者、応募者を含む12名が参加しました。

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まず、アフリカに取り組む日本のNGOとして、市民ネットワークforTICAD世話人の稲場が、これまでのTICADと市民社会との関わりについて触れたあと、TICADに求める「4つの大志」を発表しました。今年5月に開催された市民戦略会合の内容を含むものですが、多岐にわたるため、今後の議論に生かすことを視野に、この日の短い発表時間内でおさまるよう、まとめられました。

DSCN5763続いて、在日アフリカ人コミュニティからの意見として、アフリカン・ヘリティッジ・コミッティ―のトニー・ジャスティスさんが発表を行いました。

アフリカン・ヘリティッジ・コミッティーはアフリカ理解促進のためのフェスティバルの開催に加えて、日本での子ども食堂とガーナでの学校建設の活動など、子どものための一貫した活動を日本とアフリカの双方向に向けて取り組んでいます。長年日本に住み、言葉や制度や文化を理解するアフリカ人コミュニティの皆さんが、TICADという文脈のなかでどのように関わっていくことができるか、これまでになかった視点で提起していただきました。

DSCN5765DSCN5767どの共催者からも、市民社会が重要な役割を担っており、不可欠の存在であるという意見が聞かれました。同時に、政策と開発の現場に齟齬が生じているという問題について、どのように克服していくべきか、草の根にもっとも近いところで活動している市民団体がそのギャップを埋める橋渡し役を担ってほしいという期待も聞かれました。また、日本のアフリカ人コミュニティの人びとがこれまで以上に関与することで、文化をはじめとする様々な交流が大きく前進するだろうと、今回の発表に感謝の意も述べられました。

 

30分という短い時間のなかで、半ば形式的にならざるを得ない部分もあり、また、こうした場にもっと多くの人々に立ち会ってもらいたかったという思いは少なからずあります。「市民団体は重要で不可欠」という言葉が、開発DSCN5749で生じた亀裂を埋め、現代社会の歪みを緩和するための処方箋という意味にとどまらないことを願い、同時に今後の活動の力点を考える機会となりました。