2016年2月6日、東京都渋谷区の公共施設にて「アフリカの魅力を知るセミナー」シリーズ最終回となる第4回 アフリカの女性と躍進~ジェンダーと開発編~(共催:外務省、世界銀行東京事務所、国際家族計画連盟(IPPF)、特定非営利活動法人アフリカ日本協議会、公益財団法人ジョイセフ、認定NPO法人ミレニアム・プロミス・ジャパン、ミレニアム・プロミス・ジャパン ユースの会)を開催しました。
土曜の昼間の開催となりましたが、75名の方々にお越しいただきました。お越しいただいた皆様、ありがとうございます!
はじめに来日中の国際家族計画連盟(IPPF)アフリカ地域局長のルシアン・クアクウ氏(コートジボワール出身)より、アフリカの女性の現状について説明がありました。IPPFは、世界170か国でセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(SRHR)や女性を守る取組みを行う国際NGOです。アフリカの女性は母子死亡率やHIV/AIDS感染率が高く、ジェンダーに起因する暴力も後を絶ちません。そのため、IPPFはこうした女性を守るために開発プログラムやモニタリング・リーダーシッププログラム等を行っています。今後はSRHRに基づく包括的なプログラムを実施したり、女性や女児のリーダーシップを育成するラーニングセンターのほか、日本企業とのアフリカでの連携も一層増やしていきたいと期待を述べました。
続いて駐日ルワンダ大使館のヴェネティア・セブダンディ大使からはアフリカの女性の社会進出について、母国ルワンダを事例に説明しました。ルワンダでは下院議員の64%を女性が占めるほか、民間企業の管理職にも多くの女性が就いており、アフリカや世界のジェンダー平等におけるモデル国となっています。ルワンダは1994年のジェノサイドからの政治や経済の復興過程ですべての人が動員され、女性も大きな役割を果たしました。大統領の強いリーダーシップや法制度化を進めたことにより、女性の社会進出が進んだと言います。とはいえ、現在女性の中でもインフォーマルセクターに従事している人が依然多くいること等、課題もある点が指摘されました。
最後に来日中のカメルーンの女性国会議員マリーローズ・グイニ・エファ氏より、カメルーン女性の雇用状況についてプレゼンテーションがありました。カメルーンの女性は報酬の得られない家事にも従事しており、非正規職や収入差別等、職場でのジェンダー格差も顕著にみられます。こうした状況に対して、カメルーン政府もすべての分野でジェンダーの視点を取り入れた政策を行ったり、社会組織として家族を発展させる取り組みを行ったりしていることが言及されました。
パネルディスカッションでは登壇した3名に加え、モデレーターにミレニアム・プロミス・ジャパンの副理事長の安田尚代氏、同団体ユースの会の福谷佳苗さんを迎え、トークショーを行いました。トークショーではゲストの方々が現在の職業に志した理由や企業におけるクオーター制の導入等について意見交換が行われました。
「アフリカの魅力を知る」セミナーは今回が最終回となりました。セミナーを通じて、少しでも皆様がアフリカのことやTICADについて理解が深まる機会となっていたら幸いです。