サイドイベント
主催:難民を助ける会(AAR)、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)
「難民のエンパワーメント ~ケニア・カクマ難民キャンプからの難民の声と国際社会と日本の人道支援~」
8月26日11:00~12:30 於:ライコリージェンシーホテル
TICAD Ⅵにおいて「平和と安定」が主要課題の1つに取り上げられましたが、アフリカにはまだまだ紛争地域が多く、祖国を離れて難民として生活する人々は400万人以上にのぼります。ケニアのカクマ難民キャンプには、南スーダン難民をはじめとし、ソマリアやコンゴ民主共和国、スーダン、ブルンジなどから来た難民約16万人が暮らしています。同キャンプで活動する主催2団体より、現場からの生の声を届けるとともに、難民への支援やエンパワーメントの重要性を喚起するため、本セミナーを開催しました。
司会は、自身もかつてウガンダからスーダンへ逃れた難民であったウガンダ地雷被害者協会(ULSA)のマーガレット・アレチ・オレチ氏が務めました。基調講演として国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ケニアのサムエル・チャクウェラ氏が登壇し、UNHCRの難民支援の方針や国連とNGOとの連携について解説がありました。
また、カクマ難民キャンプからの生の声として、南スーダン難民で中等教育校に通うニボル・チュオル・デュオップ氏(19歳)と長年カクマでの支援活動に当たっているジョフリー・ワフラ・マシカ氏が登壇しました。ニボル氏は、南スーダンから避難してきたときの様子や、キャンプの暮らしで特に女子が抱える問題等を語り、それでも教育を通じて将来への希望を持っている、と力強く話しました。ジョフリー氏からは、カクマの現状や生活事情をご紹介しました。加えて、主催各団体の職員より、AARの活動する教育分野、PWJの活動するシェルター分野の現状と活動紹介をしました。
広報も不十分だった中、多くの方々が来場し、質疑応答でも多くの質問が上がりました。参加者からは、「自分はケニア人だが、難民キャンプの状況は全く知らなかった。」「日本の団体がケニアの僻地で活動していること自体知らなかった。南スーダン難民の話を直接聞くのも初めてだった。とても感動した。」などの声が聞かれ、十分に知られていない難民の状況や支援の必要性を伝える貴重な機会となりました。
(難民を助ける会 雨宮知子)