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「誰も取り残さない」保健サービスを目指して:アフリカにおける保健への投資(実施報告)

final-ticad-vi-logo-120保健分野のサイドイベントは、8月27日午後1時30分~3時、ナイロビ中心部のライコ・リージェンシー・ホテルの会議室「シタール」にて開催されました。同イベントはアフリカ日本協議会と、「アフリカ保健市民社会プラットフォーム」(African Civil Society Platform on Health: CiSPHA)、「グローバルファンド活動者ネットワーク・アフリカ」(GFAN Africa)の共催で行われました。

本企画の基本ラインは、CCfAの東アフリカ地域代表を務める、「東アフリカ地域国家エイズ・サービス組織ネットワーク」(EANNASO)の事業部長、オリーブ・ムンバ氏(マラウイ人、アルーシャ市(タンザニア)在住)によって立案されました。アフリカはミレニアム開発目標(MDGs)以来、保健の実績で大きな進歩を達成しつつありますが、一方で、その資金については、かなりを国際資金に依存しており、特に「民間資金や途上国の国内財源」に重きを置く、2015年の第3回国連開発資金会議(FFD3)の成果文書「アディスアベバ行動アジェンダ」の文脈では、アフリカ各国政府の国内資金動員を積極化していく必要があります。アフリカ連合(当時の「アフリカ統一機構」)は2000年、ナイジェリアの首都アブジャで「国家予算の15%を保健に投資する」とする「アブジャ宣言」を採択しており、多くの国はこれに向けて保健予算を増額していますが、達成している国は数か国にすぎません。

アフリカの市民社会は、エイズや結核、マラリアなどに携わってきたパン・アフリカン・レベルの活動家を中心に、アフリカ各国政府の保健拠出を拡大するための政策提言やアドボカシーを行う「アフリカ保健市民社会プラットフォーム」(CiSPHA)を組織しており、アフリカ日本協議会はCiSPHAと連携して、TICADに向けた保健のアドボカシーを担ってきました。今回のサイドイベントは、これまでの取り組みの集大成として、三大感染症対策からユニバーサル・ヘルス・カバレッジまでを射程に開催されました。

司会はケニアのエイズ・アクティヴィスととして国際的に活躍しているローズマリー・ブルさん(Rosemary Mburu)が務め、最初にグローバルファンドのマーク・ダイブル事務局長が登壇。保健への投資拡大とTICAD、市民社会のアドボカシーの重要性について指摘しました。その後、保健システム強化と資金について、ナイジェリアのNGO「保健科学・訓練・調査・開発センター」(CHESTRAD)の代表、ロラ・ダレ氏が登壇。その後、WHOアフリカ地域事務所の保健システム局長であるデラニョ・ドヴロ氏(Dr. Delanyo Dovlo)、JICAの保健専門家としてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を国際的にも主導した杉下智彦氏が、アフリカにおけるUHCの重要性について力強く提起しました。その後、アフリカ政府で保健行政をつかさどる立場から、ケニア国家エイズ委員会のンドゥク・キロンゾ氏(Dr. Nduku Kilonzo)、ケニアのHIV陽性当事者として世界各地で証言活動を行っている「エイズ陽性女性国際コミュニティ・アフリカ」(ICW-Africa)のモーリーン・ムレンガ氏(Ms. Maurine Murenga)が当事者として発言。最後に、アフリカ日本協議会の国際保健ディレクター、稲場雅紀氏が、SDGs時代のアフリカの保健の在り方について「人間中心、ライフ・サイクルや多様性に焦点を当て、テイラー・メイドで、だれも取り残さないものにしなければならない」と総括しました。

 

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