8月27日、ライコリージェンシーホテルにて、JICA、Pan African Climate Justice Alliance(PACJA)、ウォーターエイド共催、株式会社LIXIL協力のもと、アフリカの都市化と気候変動、およびそれらに対応するための水・衛生インフラに焦点をあてたサイドイベントを開催、モザンビーク公共事業・住宅・水資源省 給水・衛生局長 ニルトン・トリンダーデ氏、JICAモザンビーク事務所副所長 青木英剛氏、株式会社LIXIL Public Affairs部門グローバルコーポレートリスポンシビリティ推進室室長 小竹茜氏、アフリカ開発銀行東アフリカ地域資源センター水・衛生エンジニア ジョン・シフマ氏、PACJAアドボカシー・ネットワークオフィサー ロバート・ムサミ氏、ウォーターエイド シニアポリシーアナリスト ジョン・ギャレットが登壇しました。
各登壇者からのプレゼンテーションでは、トリンダーデ氏が、モザンビークにおける都市化と気候変動の現状について、ならびに都市部でレジリエントな水・衛生インフラを構築するうえでの課題を説明。続けて公共、民間と市民社会など異なるセクターが効果的に連携することが不可欠であること、TICAD VIのような協働プロセスは重要な役割を果たすことを強調しました。
青木氏は、水のアクセスについて、水資源量の問題というよりは管理の問題として対処する必要があると話し、アフリカ各地におけるJICAプロジェクト、水資源管理、都市部と農村部における水・衛生のアクセス改善、水関連の災害を防ぐための支援など、JICAが注力する分野、さらにモザンビークのニアッサ州で実施するJICAのPROSUASプロジェクト(井戸掘削、研修・スペアパーツの提供、ウォーターエイドと連携した衛生習慣改善等)について紹介しました。
小竹氏は、SDGsのゴール6ならびにTICAD VIの実施における民間セクターの役割に焦点をあて、アフリカでは、衛生環境の未整備がもたらす社会的および経済的損失が非常に大きい(2015年は推定190億ドル以上)こと、LIXILは、2020年までに世界で1億人の衛生状況を改善することを目標に、同社が持つ衛生設備のソリューション普及に取り組んでいることを共有しました。
ギャレットは、ウォーターエイドが取り組む都市計画プロジェクト(アフリカのマプト等4都市において、都市全体の水・衛生インフラ計画を策定することに焦点をあてたプロジェクト)について言及し、開発途上国のインフラ投資は、貧困削減と気候変動両方への成果を踏まえて検討すべきであると話しました。
後半の質疑応答セッションでは、大幅に時間オーバーするほど参加者より多くの質問やコメントが寄せられ、活発な議論が行われました。
(特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパン事務局長 高橋 郁)